打ち興じながらニ人はまもなく品川の宿に着く。

いつの間にか鈴が森の刑場のあたりにきて、ここで弥次郎兵衛は、一首こじつける。

磔 台 火炙り台


 「おそろしや罪ある人の首玉に つけたる名なれ鈴が森とは」

(猫の首に鈴をつけるのもじり。鈴が森は東海道の道筋で、さらし首や処刑が通行人に見えるようになっていた)

林立するビル、絶え間ない車の流れの中にある鈴ヶ森刑場跡だが、多くの罪人、丸橋忠弥、八百屋お七、天一坊らが処刑された地であるだけに、昼間でも異様な雰囲気である。